今年の5月5日子どもの日を期して「原発ゼロ」になって2ヶ月足らずで、民主党野田内閣は、「国民生活のため」という「名」で大飯原発再稼働を開始しました。6月26日に国民多数の反対の声に背を向けて民主、自民、公明の三党合意で消費税大増税法案が衆院で採決強行。そしてわずか数日後の7月1日に原発再稼働に突き進む…。この2つについて大歓迎したのが財界・日本経団連。もちろん自民、公明も暗黙の了解なのでしょう。 この日を迎えて二つのことを考えました。
一つは、野田首相の原発再稼働を表明した記者会見での言葉の中身です。 そこで野田首相は、「国民の生活を守る」ための再稼働であり、前提として「福島のような事故は絶対起こさない」「事故を防止できる対策と体制は整っている」と述べました。停電が起こると大変だと恫喝する一方で、福祉原発事故の収束、原因究明もままならない中で「安全神話」を振りまく異常さです。とりわけ「福島を襲ったような地震・津波が起こっても事故を防止できる対策と体制は整っています。これまでに得られた知見を最大限に生かし、もし万が一すべての電源が失われるような事態においても、炉心損傷に至らないことが確認されています。」と言ったくだりには怒りを通り越して、あきれかえりました。一体誰が確認したのでしょうか。福島原発事故の最大の問題は、ウソで固められた「安全神話」にあったのではありませんか。またこの国の為政者は、財界いいなりで「安全神話」を復活させようとしているのです。「国民の生活を守る」といいますが、節電の努力と必要なところへの対応を行えば原発なしで乗り切れることは、昨年の経験でも証明されています。逆に、長期的なリスク、しかも仮にもう一回原発の過酷事故が起こった場合、この日本列島は一体どうなるのでしょう。考えただけでも戦慄が走ります。大飯原発の再稼働は今からでも中止すべきです。
もう一つ、未来への可能性が7月1日を前後して大きく広がっていることです。 「原発に再稼働反対」「子どもたちの未来を守る」…の大きなうねりが国の津々浦々から澎湃として起こっていることに、新しい未来を予感させるのです。 野田政権が力ずくで原発再稼働に突き進んでも、それを押し返す世論と運動で「再稼働中止」から「原発ゼロ」へ確実な前進を切り開く展望が生まれているのです。 6月29日の首相官邸前の抗議デモには、私も娘と一緒に参加してきました。途切れることがない人の流れ、行動が終了して地下鉄から上がってくる人の流れ。しかも一人ひとりの真剣なまなざしが印象的でした。ここに未来を感じました。
当日の写真を掲載しておきます。 7月16日(日)には、代々木公園で「さよなら原発10万人集会」が開かれます。闘いは、まさにこれからです。 今日も定例のスーパーイイダ前で日曜宣伝を行ってきました。通りがかりの方から「原発だけは止めて!」という切実な声がありました。草の根から「再稼働中止」と「原発ゼロ」へ向けて力を合わせましょう。
※なお当日の様子を報道した「しんぶん赤旗」の記事と写真は以下のアドレスへ
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2012-06-30/2012063001_01_1.html